小説&映画 感想:言の葉の庭 新海誠

 

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”愛(あい)”よりも昔、”孤独(こい)”のものがたり

靴職人を目指す高校生・タカオは、雨の日の朝は学校をさぼり、日本庭園で靴のスケッチを描いている。

そこで出会った、謎めいた年上の女性・ユキノ。

やがて二人は約束もないまま雨の日だけの逢瀬を重ねてるようになり、心を重ねるようになり、心を通わせていくが、梅雨は明けようとしていた・・・

以下、ネタバレ含みます。

映画版:言の葉の庭の感想

小説版の感想の前にやはり劇場版の話をしたかったので感想を書いていこうと思います。

言の葉の庭は新海作品では一番好きです。

作画のキレイさ、物語の良さ、いずれも最高です!

ユキノ先は、タカオ君を必要としている。

タカオ君も、ユキノ先生を必要としている。

”あのひとが歩きたくなる 靴を作ろうと思った”

作中では、タカオ君はとにかく大人びているなぁと思います。

梅雨入りし、二人は午前中の逢瀬を重ねていきます。

その中で、ユキノ先生はタカオ君に自らの苦しみを少し告白します。

ユキノ先生「私ね、上手に歩けなくなってしまったの」

タカオ君はユキノ先生に恋ごころを感じていますが、その気持ちのままに会いに行ったりせずに、ユキノ先生の為に「靴」を作ると決意します。

高校生でこの行動は普通ではないなと思いました。

上手に歩けなくなったといのは、人生を上手く立ち回れなくなったという意味だと僕は解釈しました。

タカオ君は言葉ではきっと、自分では力になれないと思ったのだと思います。

だから、せめて楽しい気分になれるような、そんな靴をプレゼントして助けになればいいなぁと思ったのではないでしょうか?

夏休みに入り、梅雨も明け雨の日の逢瀬はなくなってしまいます。

タカオ君はバイトと靴作りに一生懸命です。

ユキノ先生はタカオ君との時間のおかげで少しずつ前に進もうとしている様子が伺えます。

夏休みがあけて、タカオ君はユキノ先生が自分の学校の先生だったことを知ります。

そして、久しぶりの新宿御苑での再会。

短歌の美しさを感じました。

土砂降りの雨に打たれた二人はユキノ先生のマンションへ。

二人ともに人生で一番幸せを感じることが出来ました。

タカオ君はついにユキノ先生に思いを伝えますが、ユキノ先生は軽くいなすように思いを避けます。

部屋からいなくなったタカオ。

1人、部屋に残ったユキノはタカオの事を思います。

しばらく考え、部屋を飛び出します。

物語の最大の盛り上がり。

雨の中でユキノ先生は号泣。

タカオへの言葉は「あなたに救われてたの」でした。

これはタカオ君にとっても救われた言葉では無かったかと思いました。

直前に、ユキノ先生に「靴がなくても歩ける練習をしていた」と言われているのもタカオの気持ちを高ぶらせたのでは無いかと思います。

お互いの気持ちをぶつけ合った二人は抱き合いながら引き。

その後、ユキノ先生は実家の四国の学校でまた、教師が出来ている描写。

タカオ君とは文通をしている描写。

タカオ君は靴を作り上げ、ユキノ先生への思いをより強くした描写。

ここでのセリフが一番好きです。

”歩く練習をしていたのは俺も同じだと今なら思う。”

最初から最後まで素敵で、主人公に好感が持てる素晴らしい作品でした。

しかし、作品は1時間もないショートな作品なので消化不良なところがあるように感じると思います。

そこで小説版です!

小説版:言の葉の庭の感想

小説版では、タカオ、ユキノの心理描写も細かく描かれています。

タカオとユキノが実はどういった人間なのか描かれています。

また、映画ではほとんど振れられなかったタカオの兄、タカオの母、兄の彼女、ユキノの同僚は実は元カレです。さらに相沢など、多くのサブキャラクターの話も加わり物語を補足してくれています。

そして、小説版では映画でのラストからの続き、本当のラストと呼べるシーンまで描かれています。

映画版をご覧になった方はぜひ、読んでもらいたいです!

小説版を読んで、ここではこう考えていたんだという事がたくさんあると思います。

例えば、ユキノ先生がタカオが去った部屋でひとり何を考えていたか。

例えば、相沢さんはどうしてユキノ先生に攻撃していたのか。

タカオは夢をかなえる事が出来たのか、母との関係は、兄との関係は。

家族はタカオの進路についてどう考えているのか、また考えるに至った人生経験は。

ユキノ先生の実家はハッキリ地名で描かれていますし、ユキノ先生の過去も、ユキノ先生が学校を去る前はどんな教師で、どんな問題が生じたのか。

など、たくさんの疑問に答えてくれています。

小説版のラストを読んで、ここまで映像化して欲しかったとめちゃくちゃ思いました。

映画のエンディングは少し悲しめのエンディングでしたが、小説版のラストはハッピーエンドですよ♪

それでは失礼致しますm(__)m