【感想・ネタバレ】スペードの3 作:朝井リョウ

待ってたって、「革命」なんか起きないから。ー

有名劇団のかつてのスター”つかさ様”のファンクラブ「ファミリア」を束ねる美千代。

ところがある時、ファミリアの均衡と乱す者が現れる。

つかさ様似の華やかな彼女は昔の同級生。

なぜ。

過去が呼び出され、思いがけない現実が押し寄せる。

息詰まる今を乗り越える切り札はどこに。

屈折と希望を描いた傑作集。

以下、ネタバレ含みます。

 

「スペードの3」のストーリー(ネタバレ含)

■第1章 スペードの3

江崎美知代は”つかさ様”のファンクラブ「ファミリア」のリーダーだった。

美知代の人間性を丸裸にしていく物語。

優越感、自分より優れた人への嫉妬、自分より劣ると思うの者への施し。

突然現れた自分の地位を脅かすものの正体はかつての同級生だった。

かつての同級生の登場が美知代にとって嫌な思い出を喚起させるとともに、美知代を都落ちに追い落とす。

キーワードは「同級生は誰?」「呼び方から変える」

■第2章 ハートの2

明元むつ美は江崎美知代たちとは違う中学校に進学することになった。

小学校の時と違い、一緒に部活に入る同級生が出来たりとむつ美は少しずつ自分が変わっていける気がしていた。

むつ美は絵がうまかったが同級生の志津香と一緒に演劇部の美術班として活動し始める。

人間関係の変化を通じて、自己承認欲求を自覚させられるむつ美。

第1章にも絡む、むつ美の「裏返し」のキッカケが語られる。

■第3章 ダイヤのエース

つかさは劇団の同期である女優・円の引退発表を見ていた。

優等生な自分、平坦な人生、同期の円は打って変わって問題児で波乱万丈な人生。

人生という物語でどちらが魅力的かつかさは当然分かっていた。

なぜ、自分にそれが無いのか。

なぜ、円にはそれが備わってしまうのか。

全てをひっくり返すカードを用意するつかさだが、果たして思惑通りに人生は進むのか・・・

「スペードの3」を読みを終えた感想

各話とも、視点となる女性に対して最も厄介な存在が用意されています。

それらを通じて、それぞれの思考、人間性を自覚させられるように描かれているように感じました。

また、視点を大きくして全編を通すとまるで「大富豪」をしているように物語が編成されているように感じました。

グサグサと刺さる、人間の黒い感情や思考回路を揶揄する言葉。

心が重くなりますが、各話の最後には不思議とスッキリした気分になれます。

ハッとするセリフも多く、「朝井リョウ」感が凄い1冊でした!

オススメです!!!

それでは失礼しますm(__)m

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