【感想・ネタバレ】ふたつの星とタイムマシン 作:畑野智美

タイムマシンなんてあるはずがない。でも、

 

タイムマシンなんて、信じない。でも、もし戻れるなら2011年のあの日しかない!

 

美歩は過去の自分に大切なことを伝えるため、大学の研究室にあった謎の物体に乗り込んでみる・・・(過去ミライ)

 

ほんの少しのパラレルな近未来でのときめくや友情を描く、新感覚SF短篇集。

 

 

以下、ネタバレ含みます。

 

スポンサーリンク

 

「ふたつの星とタイムマシン」のストーリー(ネタバレ含)

■過去ミライ

 

主な登場人物は、大学生の西村美歩

 

美歩の通う大学の教授。若くして実績とルックスを備えた人気者である平沼昇一

 

そして、美歩の彼氏であるあゆむ君

 

 

美歩が通う大学は仙台にあり、未来へ時間移動に関して成果を上げていてその中でも平沼先生の研究室は人気があった。

 

そこには平沼先生が昔作った過去に行ける「タイムマシン」があった。

 

試しに使わせてもらう美歩だが、それは指定した時期に流れていたTVのニュースなどが見れるちょっとした機械でしかなかった。

 

 

美歩は東京の大学に通う彼氏、あゆむがいた。

 

高校時代から付き合っている二人。

 

美歩は初めての彼氏があゆむだが、あゆむは美歩が初めての彼女というわけでは無かった。

 

美歩とあゆむは幼なじみで、美歩はずっと昔からあゆむが好きだった。

 

しかし、思いを伝える前に他の女の子に先を越された事を気にしていた。

 

 

研究室で、もう一度「タイムマシン」を使う美歩。

 

偶然にも、隠された使用方法で本当に過去に戻ってしまう。

 

過去に行く方法を手に入れた美歩はあゆむが他の女の子に告白される前に、過去の自分にあゆむに告白するようアドバイスしようとしていた。

 

 

そして、過去へのタイムスリップは上手くいき、過去の自分に会う。

 

過去の自分は美歩を見て逃げ出してしまう。

 

追いかけようとした時、ふいに腕を掴まれる。

 

平沼先生だった。

 

平沼先生に過去改変の危険性を諭され、何もせずに現代に戻った。

 

 

現代の自分のアパートに帰ってくると、あゆむから電話がかかってくる。

 

どうやら時間移動の間にメールを送ってくれていたが、そのせいでメールが届かなかった。

 

最近忙しいと連絡が少なくなっていて疑っていた美歩だった。

 

しかし、その理由はあゆむが美歩に会いに行くためバイトを多く出てお金を貯めていたためだった。

 

先ほどまでのムードと一変して二人に笑顔が溢れた。

 

スポンサーリンク

■熱いイシ

 

主な登場人物は、広文とフミ

 

そして、二人が営むカフェのアルバイトであるコトちゃん

 

常連客の田中君

 

 

フミと広文は二人で脱サラし、カフェをオープンした。

 

最初はどうなることかと心配された経営も常連客が増えて安定していた。

 

そんな中、今日も常連客の田中君が来た。

 

田中君は、気持ちが分かる石”アツイイシ”なるものを持ってきた。

 

そのイシを手の中に包み、質問すると気持ちに呼応して石の色が変わり、最も強い気持ちになった時、赤くなり熱を持つという。

 

試しにフミに持たせて「広文の事が好きですか?」と聞くと、石は赤くなり熱を持って驚いた。

 

 

 

しかし、フミは広文に不満を抱えていた。

 

カフェをオープンした当初、二人で頑張ろうと言っていたのにさっさと資産家である両親にお金を借りた広文。

 

コーヒーには拘ろうと約束したのに、コーヒーへの熱意は見られなくなり、最近は骨董品にご執心な広文。

 

ながい付き合いな上、一緒に住んで、カフェも経営しているのに未だにプロポーズもしてくれない広文。

 

自分が広文を好きなのか、そして広文は自分の事を好きなのか自信を持てないでいた。

 

 

 

後日、田中君に広文に”アツイイシ”を使うことを勧められるフミ。

 

コトと田中君が見守る中、広文に”アツイイシ”を持たせる。

 

そして、フミは「私の事、好き?」と問いかける。

 

広文はすぐに手の中で熱くなった石にビックリして飛び跳ねる。

 

二人とも、真っ赤な顔になっていた。

 

 

■自由ジカン

 

主な登場人物は、普通の女子中学生の大道

 

大道の友達、みっちゃん

 

大道の幼なじみでもある、イケてない男子のシュウジ

 

 

実は大道は超能力を持っていた。

 

物を動かせる念力以外にも、時間操作という超能力を持っていた。

 

3秒の時間を、大道は超能力で自分だけ30秒に引き伸ばしたり出来たのだ。

 

周りが、そしてみっちゃんまでも彼氏が出来るかもしれない状況になってきて焦る大道。

 

普通女子から脱却するため、大道は超能力をアピールするテレビ出演を密かに決めていた。

 

テレビ出演の際の演出を一緒に考えていたシュウジに止められるのも聞かず、テレビ出演を果たす大道。

 

しかし、結局比較的おとなしめに超能力を発揮する。

 

 

撮影後「過去ミライ」で登場した平沼先生が大道に声をかける。

 

平沼先生は大道の頭から毛先から根本まで、長い完璧な白髪を引き抜き、大道に「友達と同じ時間を過ごせなくなるよ」と警告してくれる。

 

ようやく自分だけ多くの時間を駆け抜けていた事に気付く大道。

 

大好きな友達と同じ時間を過ごすため、大道は超能力を使うのをやめることにする。

 

何より大事なの特別になることではなく、友達との時間だと気付けたのだ。

 

■瞬間イドウ

 

 

主な登場人物は、32歳で独身OLの一ノ瀬

 

一ノ瀬の同僚、サッちゃん

 

後輩の二宮

 

 

一ノ瀬が気付くとそこは万里の長城だった。

 

なぜ自分が万里の長城にいるのか分からず混乱する一ノ瀬。

 

これは夢だと念じると自分が務める会社に戻ってきた。

 

どうやら寝てしまっていたのだと思う一ノ瀬。

 

 

しかし、同僚のサッちゃんから後輩の二宮が彼氏にパリに連れて行ってもらうらしいという話を聞かされた後、今度はパリに行ってしまう。

 

また夢だと思って、観光と買い物を楽しんでいた一ノ瀬。

 

そして、ふと誰かに呼ばれた気がして目を覚ますとまた会社に戻ってきていた。

 

しかし、手にはパリで買ったはずのエコバックと水が握られていた。

 

 

一ノ瀬は瞬間イドウの超能力に目覚めたようだった。

 

自分の能力を解析していく一ノ瀬。

 

どうやら、現状に対する不安や不満が強い気持ちとなり、強い気持ちを持って願った時に瞬間イドウが出来るようだった。

 

瞬間イドウを日々の楽しみにする一ノ瀬。

 

しかし、その為に不満や不安をやたらに抱えるようになっていた。

 

 

瞬間イドウでアメリカに来た一ノ瀬。

 

そこで訪れたおもちゃ屋さん。

 

一ノ瀬はそこに自分がデザインしたおもちゃを並べたいと強く思った。

 

本来の願いを取り戻した一ノ瀬。

 

不安や不満など全て吹き飛んでいた。

 

■友達バッジ

 

主な登場人物は、サトシと哲ちゃん

 

「熱いイシ」で登場した田中君

 

サトシのクラスメイトの島田、石井、久保

 

 

サトシたちは小学3年生。

 

サトシと哲ちゃんは大の仲良しで二人でいつものように遊んでいた。

 

そして、いつものように石井や久保に暴力を振るわれ、イジメられていた。

 

それを一歩引いたところで見ていた島田。

 

いつも島田がさり気なくイジメを止めてくれていた。

 

そんなことがあっても、二人は励まし合いながら楽しく過ごしていた。

 

哲ちゃんは友情の証だと、赤いバッチをサトシに渡す。

 

そして、帰り道サトシは田中君に会う。

 

事情を知っている田中君は、サトシに友達が出来るという黄色い”友達バッチ”を渡す。

 

 

 

次の日、登校しているといつもの石井と久保と島田。

 

また意地悪されるかと思っていると、なぜかフレンドリーな三人。

 

その後もこれまでのようにイジメられない事から友達バッジの効果を信じるサトシ。

 

しかし、友達バッジを持たない哲ちゃんはこれまで通りイジメられていた。

 

自分もまたイジメられるかもとい恐怖から、サトシは哲ちゃんに貰った赤いバッチを外してしまう。

 

 

 

休み時間、校庭でサッカーが出来ないと分かると島田たちが「プランB」の出番だと言い出す。

 

なんの事か分からないサトシ。

 

「プランB」とはイジメの事だった。

 

そして、標的は哲ちゃん(友達バッジが無ければサトシも)だった。

 

ここでも、島田らに反抗する事が出来なかったサトシは哲ちゃんを蹴ってしまう。

 

最悪の気分を味わったサトシだった。

 

 

友達バッジのおかげで色々な事に気付いたサトシ。

 

そして、本当に大事なことにも気付いたサトシだったが。

 

哲ちゃんはサトシに対してこれまでのような接し方はしてくれなくなっていた。

 

それでも、サトシは諦めず哲ちゃんと仲良りしよとしていた。

 

■恋人ロボット

 

登場人物は、「過去ミライ」のカップル、あゆむと美歩

 

今回は彼氏のあゆむが語り手だ。

 

 

あゆむと美歩はあの後、東京で会っていた。

 

そして、美歩が仙台に戻る日だ。

 

湿っぽい別れを嫌がると思っているあゆむは美歩を近くの駅まで送るだけで大学に戻ってしまう。

 

 

そして、自分が所属する科捜研部(実態は無い)の部室を訪れる。

 

すると、これまでの酷い有様の部室がキレイに清潔に変貌していた。

 

そして、彼女がいなかった2人の先輩が彼女を連れてきていて驚くあゆむ。

 

しかし、彼女らは「ロボット」だった。

 

 

あゆむは同級生の永野らにロボットを買うように勧められるがそのつもりはなかった。

 

しかし、あゆむもロボットを買ってしまう。

 

AI=アイという事で、ロボットにはアイと名前を与えた。

 

自分の分身のように、自分と気が合うアイにあゆむは次第に愛なのか愛着なのか分からない感情を抱えていく。

 

 

文化祭が近づいていた。

 

美歩とは文化祭で会う約束をしていた。

 

しかし、美歩から自分の大学の文化祭と被るから行けないと言われる。

 

怒るあゆむだが、すぐにどうでもよくなってしまった。

 

自分が美歩を好きなのか、アイが好きなのか分からなくなっていた。

 

 

文化祭の当日、疲れたと嘘をついて自分のアパートに帰るあゆむ。

 

美歩との喧嘩の日からアイの電源を切っていた。

 

しかし、帰るとアイが出迎えてくれる。

 

なぜかと問うと、美歩が電源を入れてくれたからと答えるアイ。

 

部屋の奥には確かに美歩が来ていた。

 

「私より、ロボットの方が好きになっちゃった?」

 

そう聞かれたあゆむは衝動的に美歩を抱きしめる。

 

あゆむは何が一番大切か再確認した。

 

■掘れグスリ

 

最終章は田中君の話。

 

田中君は職場の美人、長谷川葵が好きだった。

 

しかし、長谷川さんに関する彼氏の噂。

 

長谷川が自分を男として見てくれない事。

 

そのせいで、自分の気持ちを長谷川さんに伝えられない田中君。

 

 

フミと広文が経営するカフェで広文が持っていた「惚れグスリ」をもらう田中君。

 

長谷川さんに密かに惚れグスリを使う。

 

すると、長谷川さんは眠り込んでしまう。

 

お店で寝かしたままにもしておけないので、長谷川を背負って自分の部屋に戻る田中君。

 

寝言で誰かの名前を呟くのを聞いてしまう。

 

その後、長谷川さんは無事に目を覚まし帰っていく。

 

 

仕事に行く途中、以前”友達バッチ”を渡したサトシに会う。

 

自分が渡したバッチのせいで友達を無くしてしまった事をしっている田中君。

 

サトシの頑張りを見て田中君も長谷川に対する決意を固める。

 

 

職場で再び、顔を合わせる二人。

 

田中君は長谷川さんに自分の正直な思いをぶつけ、これまで聞けなかった事を勇気も持って聞き出す。

 

田中君が勇気を出せたのは、きっと惚れグスリだけのおかげじゃない。

 

「ふたつの星とタイムマシン」を読みを終えた感想

 

畑野さんの作品に今まで無かったSF要素が満載の一冊でした。

 

SFと恋愛、友情が上手に絡んでいてさらに短篇集なので読みやすいことこの上なかったです。

 

あゆむ君と美歩ちゃん、フミさんと広文さんのカップルの可愛いことw

 

気軽に読める良い1冊だと思います!

 

 

 

それでは失礼しますm(__)m

 

スポンサーリンク

 

コメントを残す