【感想・ネタバレ】天久鷹央の推理カルテⅤ~神秘のセラピスト~ 作:知念実希人

白血病の少女を救うのは、医療か、奇蹟か。

白血病が再発し、骨髄移植でしか助かる見込みがない少女・羽村里奈。

だが、複数回に及ぶ化学療法を経ても病気が完治しなかったことで医療不信に陥った彼女の母親は、移植を拒否し、左手に聖痕を持つ預言者の言葉に縋るようになってしまう・・・

少女を救えるのは、医療か、奇蹟か。

神秘的な現象を引き起こす”病気”の正体とは。

天医会総合病院の天才女医・天久鷹央が奇蹟の解明に挑む。

以下、ネタバレ含みます。

 

「天久鷹央の推理カルテⅤ~神秘のセラピスト~」のストーリー(ネタバレ含)

■Karte.01 雑踏の腐敗

宮城辰馬は田舎から上京し、渋谷のスクランブル交差点に佇んでいた。

これまで見たこともないような人の数に驚く彼は、ふと指先の痛みを覚える。

支線を落とすと、両手の指先から赤錆のような腐った色に指が変色していた。。。。

天医会総合病院統括診断部を訪ねてきたのは、宮城椿

宮城辰馬の姉で、OLとして働く女性だ。

上京した日に指に異変が起きてから、辰馬は原因は人混みだと思って、外に出るのを避けるようになった。

椿の話から、辰馬の症状に興味を持つ鷹央。

しかし、辰馬は病院に来れないという事で小鳥遊と二人で往診に向かう。

辰馬は椿のマンションでおとなしくしていた。

原因不明の症状、医師が自分の話を信じてくれないことからふさぎ込んでしまっていた。

しかし、自分の話を信じる鷹央に対しては協力的だった。

実際に問題の症状を観察するため、鷹央と小鳥遊、辰馬と椿は渋谷のスクランブル交差点に赴く。

近所のスーパーや人の少ない総合病院などでは問題の症状が出なかった辰馬。

しかし、スクランブル交差点に行くと再び例の症状が現れる。

混乱する辰馬は急いで椿のマンションに帰ってしまう。

鷹央も人混みが苦手なため、小鳥遊がきちんと症状の観察を行って報告する。

鷹央は辰馬の症状の謎が解けたようだ。

マンションに戻り、辰馬を屋上に連れ出す。

すると、再び辰馬に例の症状が現れる。

人混みでもないのに症状が現れることに驚く小鳥遊や辰馬。

鷹央は冷静に小鳥遊に採血を指示するも、なぜか採血が上手く出来ない。

そこに鷹央が買ってきていたココアをかけると、不思議な事に採血が上手く出来た。

辰馬の症状の原因は「人混み」では無かった。

症状を出せないための対策は「防寒」。

そして、宮城姉弟は「沖縄出身」だった。

■Karte.02 永遠に美しく

鏡に映る自分の姿を見て、南原松子はときめいていた。

恋は女性をキレイにするという事を再認識していたのだった。。。

天医会の統括診断部を訪れていたのは、松子の娘である島崎美奈子

美奈子の話では、母は「若返りの治療」によって劇的に若返っているという。

小鳥遊は美奈子の見せる二枚の写真を確認する。

すると、一目で分かるほどに、20歳以上は松子は若返っていた。

そして、例のごとく、小鳥遊は鷹央に連れられ南原松子宅を訪問する事になる。

豪奢な南原宅を訪れる二人。

松子が若返るきっかけになったのは松子が付き合っているという神尾秋源という鍼灸師だった。

どうやらその「若返りの治療」によって若返ったのは他の何人もいるらしい。

訝しく思った鷹央と小鳥遊は、神尾が実践する「若返りの治療」の見学を申し出る。

神尾の営む鍼灸院を訪ねる二人。

どうやら「気」を用いて特別な治療を行っているらしいが、一回みただけで鷹央は「若返りの治療」の仕組みに気付く。

後日、警察とも協力し神尾の罪を暴く鷹央。

神尾の行う治療には恐ろしいリスクが潜んでいた。

証拠もしっかり固められて神尾は逮捕される。

しかし、逮捕された神尾は松子に関してだけは一貫して「若返りの治療」を施していないと証言する。

その松子は腹部に痛みを訴えて救急搬送される。

彼女の若返りの原因は彼女の自身の中にあった。。。

■Karte.03 聖者の刻印

カトリック教会の神父、森下則夫は自分の信仰心に揺らぎを感じていた。

そんな雨の日、教会の扉を叩く音。

森下が扉を開けると、そこには紅い涙を流し、手のひらには十字架の聖痕を浮かばせた男が立っていた。

天医会総合病院の小児科に鷹央、小鳥遊、鴻ノ池、そして小児科医の熊川が集まっていた。

熊川は鷹央に頼みをする。

白血病で骨髄移植が必要な9歳の少女、羽村里奈

ドナーから提供出来る骨髄も確保出来ている。

しかし、彼女の母、親羽村佐智が医療不信に陥っている事から移植を拒否されてしまう。

そして、佐智は「預言者」と呼ばれる人物の「移植をせずとも助かる」という言葉を信じてしまう。

医療不信と「預言者」の言葉から解き放ち、佐智と説得し里奈の命を救って欲しいと依頼される。

里奈は現在、天医会総合病院に入院中だが母親は教会で祈っていて娘の病室には来なくなっていた。

そんな里奈の病室を訪れようとする時、意外な人物と鷹央と小鳥遊は再会する。

以前、詐欺師として登場した佐山香織だった。

「預言者」の前に佐智から相談された佐山。

その間に佐智と里奈に情が移り、頻繁に面会に来ているらしい。

問題の「預言者」は森下が出会った男だった。

預言者の名前は天草炎命

炎命のトリックを暴き、佐智を偽の宗教から開放するため教会に乗り込む鷹央と小鳥遊と佐山。

しかし、その結果は散々なものだった。

宗教と医療の板挟みで事件の解決は容易ではなかった。

被害も出した鷹央は弱気になるが、小鳥遊のフォローで立ち直り再度、里奈を救う決意を固める。

鴻ノ池と佐山の協力もあり、真相の解明、佐智と里奈の救済の舞台を整える鷹央。

人を救うのは、信仰か。

それとも医療か。

■エピローグ

里奈の骨髄移植は無事に行われる。

幼くして無くなってしまった、三木健太。

里奈を救えて安堵する鷹央。

小鳥遊には微笑む三木健太の姿が見えた気がした。

「天久鷹央の推理カルテⅤ~神秘のセラピスト~」を読みを終えた感想

今回は「正しい治療」の意義が問われる話が多かったように思いました。

信仰と医療の衝突。

確かに難しい問題だと思いました。

信仰に準じて死ぬのか、信仰の自由を犯して正しい治療を行うのか。

作中では、母親の佐智は娘と向き合うことで正しい治療を受け入れました。

しかし、世界で言えばそうならない事もあるのではと思いました。

それでは失礼しますm(__)m


シリーズ第1弾「天久鷹央の推理カルテ」の感想ページはこちら!!


シリーズ第2弾「天久鷹央の推理カルテⅡ~ファントムの病棟~」の感想ページはこちら!!


シリーズ第3弾「天久鷹央の推理カルテⅢ~密室のパラノイア~」の感想ページはこちら!!


シリーズ第4弾「スフィアの死天使~天久鷹央の事件カルテ~」の感想ページはこちら!!


シリーズ第5弾「天久鷹央の推理カルテⅣ~悲恋のシンドローム~」の感想ページはこちら!!


シリーズ第6弾「幻影の手術室~天久鷹央の事件カルテ~」の感想ページはこちら!!

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