【感想・ネタバレ】僕はまだ、君の名前を呼んでいない 作:小野崎まち

あなたの胸を締め付ける、軽快だが息が詰まる青春ストーリー

大学を卒業し、就職することなく何となくラノベ作家になった久太と、マンガ家になった漆は、久太の母・涼花と3人で奇妙な”同居”生活を送っている。

2人は恋人同士ではなく、親友とも違った関係だった。

彼らを結びつけるのは、高校生の冬に起きるあの事件だった。

気がつくと自然に泣いていた作品『サムウェア・ノットヒア』に連なる物語であるが、完全に独立した作品として、あなたに喪失と再生の物語を捧げる。

以下、ネタバレ含みます。

「僕はまだ、君の名前を呼んでいない」のざっくりストーリー解説(ネタバレ含)

まずは主な登場人物を紹介。

●沖澄久太・・・愛称「きゅーたん」。本作の主人公。大学卒業後、就職せずにラノベ作家になった。父は亡くなっている。

●海原漆・・・愛称「ウルブシ」。本作のヒロイン。久太とともに就職はせずにマンガ家になった。

●沖澄涼花・・・久太の継母。漆とも仲が良く、とある事情から漆も含めた3人暮らしをしている。未だに30代そこそこである。

●荻野・・・久太と漆の大学時代からの友人。久太とは実は中学時代に出会っていた。

●篠崎・・・久太と漆、荻野の大学時代の友人。とある事情で現在は会えない。久太の就職活動に大きな影響を与えた。

●海原一行・・・漆の父親。現在は末期がんで入院中。

物語は久太と漆があだ名を呼び合う高校生の思い出から静かに始まる。

その日以来、漆は久太の事を「きゅーたん」と呼び始め、久太は元々漆の事を「ウルブシ」と呼んでいた。

ちなみに「ウルブシ」の由来は、ただ単に久太が「漆」の読みをウルブシと勘違いしていただけだ。

物語は主に久太の視点で描かれる。

久太は何となくラノベ作家になってしまった。

デビュー作こそ、それなりに評価され、ぼちぼち売れた。

しかし、第2作のアイディアが浮かばない。

そうした、軽い作風とストーリー展開を見せると思いきや、物語は突然暗転する。

久太と漆は恋人でも、親友でもない。

その関係の呼び方を久太自身も分からなかった。

なぜ、そんな関係になったのか?

それを紐解くために、久太の幼少期、中学時代、高校時代と回想される。

全ての時間で重く暗い過去が語られる。

久太が漆に出会ったのは高校時代だった。

中学時代は荒れに荒れた久太が人間関係を改善したいと必死にコミュニケーションを図っていたのが漆だった。

出会ったばかりの彼女は他人を拒絶する女の子だったが、次第に態度はほぐされていく。

久太は自分の運気、人生の流れが好転しているように感じる。

だが、そうはいかなかった。

久太自身に大きく、重い、家族の問題が発生する。

その問題を解決できぬ間に、漆の抱える問題にも直面してしまう。

久太が秘める強い怒りの感情が爆発する。

ただ、その時はそれが功を奏する結果にはなったが。。。

怒りによる解決は問題の根本的な解決いは至らないことを久太は後に思い知る。

形はどうあれ、久太は漆の辛い現状から救った。

そうした経緯と事情から久太と漆は同居するようになった。

自分と漆との繋がりの理由をハッキリ出来ない間に、漆を揺るがす出来事が立て続けに起こる。

母と父が続けて亡くなった。

漆の父も、母も決して良い親では無かった。

しかし、漆は両親の死を重く受け止めていた。

正直、そこまで重く受け止める理由が分からない久太。

その理由は漆の妹の死にあった。

妹の死について語る漆、それを聞く久太。

漆は久太に秘められている「怒り」を知っていいる。

自分の事を「許せない」だろうと、久太に問いかける。

「許せない」のいうキーワードから、トラウマを刺激される久太。

その場面では久太は漆を受け入れられず、去るしか無かった。

久太は家で、漆の父親・一行の言葉を思い出す。

「許すことを覚える」

久太は一行の事をまるで好きではないし、その言葉をこれまで受け入れられなかった。

しかし、その言葉こそ久太に必要なものだった。

ここに来て、久太は漆に対して自分が抱いている感情に正直になる。

久太は漆に会いに行く。

想いを伝えて、幸せにする事を約束する。

「幸せになる資格なんてない」と思い込んでいる漆を笑顔にするため、久太は必死に言葉を紡ぐ。

過去にずっととらわれていた二人が過去から解き放たれた瞬間だった。

作中、ここまで久太は漆をウルブシと呼び、漆は久太をきゅーたんと呼び続けていた。

物語の最終盤、二人は自宅のベランダに並んでいた。

久太はウルブシを漆と呼び、漆はきゅーたんを久太さんと呼ぶ。

二人はお互いの名前を呼んだのだった。

「僕はまだ、君の名前を呼んでいない」を読みを終えた感想

ライトノベルだと思って読みはじめて、序盤はラノベ作家が作品作りに苦労する話なのかと思いました。

30分後には、アレッ?と思い出します。

「ライト」はどこ?と思うくらい重~~~~い展開が始まります。

ストーリー解説ではかなりザックリ、大して内容も書かなかったのは、書くとネタバレも過ぎるし、何より書きたくなかったのが大きいです。

それでも、ラストには霧が晴れたように、覆っていた雲が一気に無くなるような展開になります。

救われました。

それでは失礼しますm(__)m

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