【感想・内容】もしも高校四年生があったら、英語を話せるようになるか 作:金沢優

「もしも高校四年生があったら、英語を話せるようになるか」のあらすじ

中学校英語教師の桜木真穂は受験英語やTOEICなどでは点は取れるが、実際の英会話が苦手で日々、頭を悩ませていた。

2020年に向けての英語教育の変革において、中学校でも英語の授業は基本的に「英語で行う」ことも決まっていた。

このままでは、生徒たちに将来、英語を教えることが出来ない。

そんな折、真穂はある英会話スクールと巡り合う。

画期的な指導方法に初めは戸惑いを隠せなかった真穂だったが、どうして今まで自分が。いや全日本人が英語を話せなかったかに漸く気付き、練習の末、徐々に話せるようになっていく。

そして、今の学校の授業に強い不信感を覚え、生徒のための新しい英語の授業の形を模索し始める真穂だったが、そこには反対する旧体質の教師もいた・・・

アジア最下位レベルにまで落ちた日本の英語教育は再び栄光を取り戻せるのか?

全日本人に贈る、世界初の英会話サクセスストーリー。

 

「もしも高校四年生があったら、英語を話せるようになるか」はどんな本?

「もしも高校四年生があったら、英語を話せるようになるか」は本来であればハウツー本のような内容を敢えて小説調にされている事が一番の特徴です。

「使えない英語」から「使える英語」へ

多くの日本人が経験してきた、「話せるようになる実感を得られない」。

どうしてそうなってしまうのか?

どうすればよいのか?

それらを順序よく描き、ハウツー本より成功への道筋を分かりやすく読み手に伝えてくれます。

そんな「もしも高校四年生があったら、英語を話せるようになるか」はどんな内容なのか、ザックリ紹介していこうと思います!!

■「もしも高校四年生があったら、英語を話せるようになるか」の登場人物

■桜木真穂・・・本作の主人公。中学校の英語教師。「読み書き」の英語は優秀だが、「話す」「聞く」の英語が出来ない。「使える英語」を習得するため奮闘する。

■葛城有紀・・・「吉原龍子 英会話教室」の「受付兼日本人講師(仮)」。生徒想いで、真穂の最大の理解者。

■吉原龍子・・・「吉原龍子 英会話教室」の学院長。剣道・柔道も師範代の腕前。優れたリーダーシップを持つ。

■阿蘇虎牙・・・英語教師。学年主任と柔道部顧問を務めるベテラン教師。旧態依然で正確も悪い。

■月島 葵・・・真穂のクラスの生徒。非常に優秀で特に英語は学年トップレベル。授業にも協力的。

■小山佑士・・・真穂のクラスの生徒。野球部のエース。スポーツ推薦で甲子園常連校に進学しようと考えている。勉強に関しては軽視している。

■阿部祐助・・・真穂のクラスの生徒。科学部に所属している小柄な少年。勉強が苦手で特に英語は壊滅的に苦手。その外見から不良に絡まれたりしている。

■青木千賀子・・・真穂の同僚。英語教師。ニューヨーク生まれで12歳まで現地で過ごしていた。英語はネイティブ。

■山形心平・・・真穂の同僚。社会教師。野球部顧問。日本史が専門。

■藤川 瞳・・・「吉原龍子 英会話教室」の受講生。シングルマザーで、一人娘のために英会話を学ぶ。

「もしも高校四年生があったら、英語を話せるようになるか」のざっくり内容解説(ネタバレ含)

■一章 私たちは英語が話せない

中学校英語教師である桜木真穂は頭を悩ませていた。

東京オリンピックが2020年に控えた日本。

教育現場にも変化が起ころうとしていた。

2020年からは英語の授業は基本的に「英語で行う」という事が決まる。

真穂は読み書き専門で、聞く→話すの英語を苦手としていた。

真穂も「英語を話せる」ようになりたいと、これまで英会話スクールに通った、教材を購入して勉強したりしたがまるで手応えを感じず半ば諦めていた。

そんなある日、「吉原龍子 英会話教室」の看板を見つける。

「もしも高校四年生があったら、英語を話せるようになるか」

そのキャッチフレーズに惹かれる真穂。

真穂のサクセスストーリーはここから始まる。

■二章 私たちは英語の話し方を知らない

真穂は「吉原龍子 英会話教室(以下、吉原教室)」を訪れる。

英会話教室と謳っているが中は和風そのものだった。

受付兼講師の有紀学院長のに出会う。

お客であるはずの真穂は龍子に厳しい言葉を浴びせられる。

本章ではたくさんの重要な要素が語られる。

★「ネイティブに過剰な期待はしない」

★「会話の配分(自分が喋る、相手が喋る)」

★リスニング量とスピーキング量の関係

★ネイティブの役割

★英会話を成功させる3つの要素

★日本の英語教育の問題点、『話すこと』より『正しいスペル』

真穂は有紀から英語を話せるようになるために必要な順序があることを教えられる。

吉原教室にこれまでにない希望を抱いた真穂は入会したいと思ったが龍子に拒否されてしまう。

龍子は日本人が英語を話せない現状を作り上げている英語教師と、その教育内容に強い不満を持っていたからだ。

入会を諦めようとする真穂。

しかし、有紀のフォローと叱責でなんとか入会を果たす。

本章では「英語を話す」上で最も重要な要素を早々と提示してくれている。

「イメージすること」

真穂の吉原教室でのレッスンが始まる。

■三章 私たちは英単語を知らない

真穂はまず有紀に指摘されたのは英語力の程度を計る判断感覚だった。

「全然話せない」

「ペラペラ」

かの感覚は間違っていると指摘される。

そして、レッスンが本格的に始まる。

ますは、英単語に関してだった。

真穂は高い読み書きのスキルを持ちながらも、部屋にあるものを説明する事すら出来なかった。

本章で提示された要素は以下のようなものだ。

★英語を話すべきは教師ではなく生徒、強化すべきは指導者ではなく指導方法

★日常会話の重要性

★単語の覚え方の問題

★誤った和製英語の弊害

有紀の正しい英語の学び方で上達を実感出来た。

上達を実感する、その経験は真穂にとって初めてのことだった。

■四章 私たちは発音ができない

次は発音。

真穂はにカタカナ英語を指摘される。

本章で提示されたのは・・・

★発音の重要性

★文法への執着

★アクセントや息継ぎの重要性

である。

吉原教室での指導は真穂にとって大きな意識改革をもたらした。

授業ではこれまで恥ずかしがってしなかったネイティブらしい発音で話したり、小テストではイラストを交えたイメージ重視の問題に変更した。

クラスの反応は良く、これまでより英語の授業に関心を示してくれているのが真穂には分かった。

その熱意と英会話の上達は生徒の月島に伝わった。

月島から「英語の発音」を教えてほしいと言われる。

真穂は涙がでるほど嬉しかった。

■五章 私たちは動詞が使えない

学校は夏休み前の面談の時期となった。

勉強を軽視し、野球の練習にだけ力を注ぐ小山

塾などにも通い勉強に時間を割いているが、成績が著しくない阿部

真穂は彼らの事を気にかけてはいたが、具体的な解決策はまだ思いつかない。

吉原教室に入会して1ヶ月。

単語に慣れてきた真穂は次の段階に入る。

文章を作る段階だ。

ここでもやはり躓くが、その原因として挙げられたのは・・・

★文字から入ってしまった弊害

★文字として目で追ってしまう

というものだった。

そうなる原因として、現在の英語教育が関わっていることに真穂はショックを受けてしまう。

もやもやとした気持ちを抱えたまま授業をしていた真穂は目眩がして倒れてしまう。

目を覚ますと保健室で、隣には同僚であり友人の千賀子がいた。

千賀子の言葉に真穂は怒りを覚え、ついキツイ言葉で返してしまう。

千賀子は怒って保健室を後にする。

罪悪感を感じながらベッドに倒れ込む真穂。

そこに聞こえてきたのは野球部の小山の悲鳴だった。

■六章 私たちは形容詞が使えない

吉原教室で真穂は龍子に呼び出される。

「私を英語で表現してみろ」

そう言われても真穂は上手く出来なかった。

龍子からの指摘は・・・

★「描写力」の乏しさ

だった。

ここでも大事なのはやはり「イメージ」だった。

会話の中、龍子の父親が政治家である事、有紀の過去が明らかになった。

■七章 私たちはリスニングができない

真穂は学校で生徒主任の阿蘇に呼び出される。

阿蘇は憤慨していた。

真穂のイメージ重視のテスト方式を否定する。

受験では日本語訳が重要視されているからだった。

「使える」英語を伝えたかったが、受験では確かに「読み書き」の英語が重視される現実が真穂に壁として立ちはだかる。

本章では非常に重要な要素が提示される。

★リスニング=聞く→理解するの「2つ」のプロセス

★読む、書く、話す、聞くの優先順位

学校は夏休みに突入する。

真穂のクラスの多くの生徒は夏休みに勉学に励むようになる。

野球部の小山も怪我と月島とのあれこそをきっかけに英語の勉強にも取り組むようになる。

生徒たちの文字にできない本音を感じる真穂。

身が引き締まる思いだった。

■八章 私たちは疑問文ができない

夏休みも開けようという時期の吉原教室での真穂。

自分自身のスピーキング能力の上昇を実感出来るほどになっていた。

そして、新学期が始まる。

真穂は意を決して自分の考える指導方法を採用することにした。

授業は読み書きよりスピーキングとイメージ重視に。

宿題にはリスニングも加えた。

そして英語を聞くということを習慣として定着させるのが狙いだった。

阿蘇に否定されたイメージ重視のテストも直さなかった。

そんな真穂を取り巻く環境も良くなっていく。

保健室の一件以来、気まずい関係が続いていた千賀子とも和解し、山形という理解者も増えた。

物事が良い方向に向いていると感じた真穂だが、水を指すように阿蘇から再び呼び出される。

自分の指示に従わない真穂に対して激しく怒る阿蘇。

一方的に罵られる真穂の元に、月島と小山、そして阿部が現れる。

生徒たちから信頼され支持される真穂。

それが許せない阿蘇。

どちらの考えが正しいか、生徒たちの成績を利用した賭けを提示してくる。

成績の上昇、英語の平均点の学年一位。

自分たちの正義を示すため生徒たちは一致団結し始めた。

吉原教室でのレッスンは疑問文に突入した。

これまでにない難易度。

それを突破する方法はシンプルだった。

★疑問文はとにかく話しまくるしかない

だった。

■九章 私たちは英作文しかできない

阿蘇との賭けに向けて、日に日に生徒たちの団結は強くなり、クラスの雰囲気は良かった。

賭けなど関係無く、そうした生徒たちの様子が嬉しかった真穂。

本章で提示される要素は・・・

★英語と日本語の概念のズレ

★イメージは文字より消えにくい

である。

それによる問題点が描かれています。

大事なのはやはり「イメージ」。

学校ではテストが終わる。

真穂のクラスは阿蘇との賭けに勝つ。

しかし、負けを認めない阿蘇はこれまで英語を大の苦手としていた阿部にカンニング疑惑を持つ。

そして一方的に再テストを決めてしまう。

我慢の限界に達した真穂は直接文句を言いに行くべく道場に向かう。

真穂には月島ら生徒たちも同行するが、阿蘇はいつも通り暴言と権力で罵ってくる。

そこに現れたのは龍子と有紀、そして政治家である龍子の父。

そして、校長ら管理職だった。

阿蘇を上回る権力の前で、阿蘇の疑う阿部の実力を証明する。

小柄で弱々しく、成績も良くなかった阿部が夏休み頃から変化した理由は龍子らにあったのだ。

真穂とその生徒たちは阿蘇に勝利する。

■終章 私たちは英語を話せるようになる

真穂は吉原教室でのレッスンを終える。

今では「使える英語」をしっかり身につけていた。

会話が楽しいと思えるようになっていた。

あれから生徒たちは卒業し、それぞれの進路に進んでいた。

英語が彼らの進む未来の可能性を大きく広げたと感じる真穂。

そして、彼ら彼女らの努力に涙した。

龍子と有紀も新たなステージに進んだ。

真穂は亡き父の遺した言葉、「大丈夫だ。」

その言葉の真意が分かった気がした。

「We’re al rihgt」

きっとそれが父の意志だ。

「もしも高校四年生があったら、英語を話せるようになるか」を読みを終えた感想

「もしも高校四年生があったら、英語を話せるようになるか」を読み終わって、驚きの連続の1冊だったと思いました。

タイトルからしてキャッチーで、確かに高校四年生があっても自分は英語を「話せない」と思いました。

本作は小説のスタイルで描かれていますが、内容は濃いハウツー本です。

英語を「話せる」実感がまるで沸かない・・・

英語を「話せる」ようになりたい!

そういった方に強くオススメ出来る一冊だったと思います!

僕は普段はハウツー本は読みません。

読んでもその通りにしないし、どこかで見たことあるような内容だったりそのカウンターのような内容ばかりだからです。

その点「もしも高校四年生があったら、英語を話せるようになるか」は自分的に内容は目新しく、読んだだけで間違いなく変わる点があるからオススメ出来ます。

英語を話せるようになるには間違いなく努力が必要です。

しかし、本書を読むだけで間違いなく変わる点、それは「イメージ」する事です。

本書では何度も「イメージする事」の重要性を説かれます。

いつの間にかそれが自分の中に浸透していました。

読み手に確かに何か残してくれる良作だと思います!

それでは失礼しますm(__)m

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