2017年11月一覧

【感想・レビュー】ブルース 作:桜木紫乃

【ブルース】の感想・レビュー

■あらすじ

 

没落した社長夫人が新聞で見つけた訃報、それはかつて焦がれた六本指をもつ少年のものだった。

 

霧たちこめる釧路で生まれた男が、自らの過剰を切り落とし、夜の支配者へのしあがる。

 

男の名前は影山博人

 

貧しく苛烈な少年時代を経て成熟していった男は、女たちに何を残したのかー。

■感想・レビュー

本作は8篇の連作で、全てに影山博人が登場します。

 

幼いころに「下の街」と呼ばれる貧民街に住んでいた博人。

 

劣悪な環境とろくでもない親、さらに彼には両手両足に六本目の指があった。

 

しかし、大人になってその指を切り落としてから彼の人生は大きく変わり、異性も同性も魅了し支配してしまう人間に成長する。

 

堅気では決してない博人だが、読み手としても彼に悪印象を持つことはない。

 

 

彼は人情に溢れているし、魅力的だからだ。

 

 

 

特に印象に残ったのは表題でもある「ブルース」でした。

 

本編では博人と幼いころ共に過ごした圭という女性が登場する。

 

圭は連れ添った夫に先立たれ、さらに人の良い夫は多額の焦付金を残していた。

 

圭は偶然、博人と再会する。

 

博人は再会した圭のために焦付金の全てを回収してくれる。

 

さらに圭に進むべき道を示し、背中も押してくれた。

 

博人の人間性が冷徹なだけでないという事が描かれていて強く印象に残ったし、物語自体は暗いはずなのに不思議な暖かさがあって素晴らしい一編だと思いました。

 

ただ、全体的に性的描写が多いのでそういうのが苦手な方はお気をつけ下さい。

■オススメ度

 

★★

 

■こんな人は読んでみて!!

・影のある男が主人公の小説を読みたい方

・桜木紫乃さんらしい小説を読みたい方


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