【感想・レビュー】夏のおわりのハル 作:畑野智美

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【夏のおわりのハル】の感想・レビュー

■あらすじ

二人の主人公、中学三年生の女の子・ハルと、30歳目前の社会人・ダイチ

ある日バスや電車に乗ると不思議な夢に迷い込む。

二人を繋ぐある人物の存在。

夢と現実が曖昧な世界で二人は自分たちの進む道を見出していく。

■感想・レビュー

これは「大人と子どもの夢と現実のお話」だと思いました。

中学三年生のハルは、幼いころのいじめの体験が心の傷になって今も尾を引いているし、思春期の女の子らしく父親に対して理屈ではない嫌悪感を抱いている等身大の女の子として描かれている。

ダイチの方は長く付き合ってきた女性が妊娠した事をキッカケに結婚を真剣に考え出していてさらに、自分が勤めるデザイン事務所の後輩にイライラしている。

ハルもダイチもつまりは悩みを抱えている。

そんな時に体験する夢と現実の狭間のような世界。

その世界で二人は自分を前に進めてくれる存在と再会する。

さらに「兎」からのアドバイスが対極にあった事が印象的でした。

ハルには「本当の事を言わなくちゃいけないんだよ」とダイチには「本当の事を言っちゃいけないんだよ」と言います。

「大人」と「子ども」との現実的な悩みの違いも感じさせる深い言葉だと思いました。

それとストーリーの中で出てくる「DVD」というアイテム。

最初に出てきた時は知らず知らずのうちに物語から姿を消しますが、後々かなりいい仕事をしま。

その内容に心暖められると思います。

作中の二人のように、物語はまるで私たちが普段体験する夢のように、どこからが夢で、どこからが現実なのか分からなくなって随分翻弄されます。

でも、とても楽しく読める1冊ですよ!

■オススメ度

★★★★

■こんな人は読んでみて!!

・変わった読書体験をしたい方

・悩みを抱える男女の物語を読みたい方